「JaSST'24 Niigata」に参加してきました

感想

いま求められるソフトウェアのアクセシビリティ

アクセシビリティとは

  • 多様なユーザや状況への対応のこと
    • 障害者や高齢者のためだけというわけではない
  • アクセシビリティに取り組むことで多様なユーザの多様なニーズに応えられる
  • さまざまな支援技術
    • メガネ/補聴器
    • スクリーンリーダー/文字起こしアプリ
    • キーボード操作スティック/視線入力/音声入力
    • 機械翻訳

なぜアクセシビリティに取り組むか

  • 取り組む価値
    • 社会的な価値
    • 法的な価値
    • 経済的な価値
  • 障害の社会モデル
    • 個人に問題があると考える視点(医学モデル)
    • 社会が不便なせいで障害者になっていると考える視点(社会モデル)
      • 社会が便利になれば障害者はいなくなる

アクセシビリティの取り組み内容

  • ソフトウェアの利用
    • 出力装置
      • 見えない/聞こえない/色がわからない
    • 入力装置
      • 装置を正確に動かしたり速く動かせない
      • 出力装置からのフィードバックがわからない
    • ユーザによる情報の認識
      • 言葉がわからない
      • 何が起きてるのかわからない
  • WCAG
    • 4つの原則
      • 知覚可能
      • 操作可能
      • 理解可能
      • 堅牢
    • 適合レベル
      • A/AA/AAAの3段階
      • Aが少ないものは満たしてないと致命的なものが多い
      • AAAは実現が難しいものもある
  • WCAGの最新は2.2(2023/10)
    • JISは2.0と互換性があるがそのうち2.2にも対応される

横断的組織が取り組むマネーフォワード クラウドアクセシビリティ向上

マネーフォーワードクラウド

  • 30以上のプロダクト
  • 3~5名の小さいチーム
  • UIや振る舞いのばらつき
  • 技術スタックもバラバラ(rails, react, vue)
  • 横串の知見共有が進んでなかった

フロントエンド推進グループ

アクセシビリティガイドラインの整備

  • MFC Accessibility Guidelinesを作った
  • WCAG2.2のシングルAに対応
  • 整備して模索してる段階

アクセシビリティ委員会

共通UIライブラリ

  • MFUI(Money Forward UI)
  • デザイン標準の時点でアクセシビリティを考慮
  • Storybookで管理
  • ChromaticでVRT

Webアプリケーション開発におけるアクセシビリティテストの実践事例

  • 村岡 里紗さん(freee)

なぜアクセシビリティに取り組むか

  • 全ての人に使ってもらいたいから
  • 会社のvisionにもつながってる
  • テストの際に当たり前にやることの1つ
  • テストをするのはQAエンジニア
    • デザイナーやエンジニアも当たり前に意識してる

QAエンジニアのアクセシビリティとの関わり

  • デザインや設計の段階でアクセシビリティの視点でチェックしてる
    • シフトレフトで動くことが多い
  • 実装後の試験
    • スクリーンリーダー動かしてチェックしたり
    • OSのカラーフィルターで色合い変えて確認したり
    • axe devtoolsで確認したり
  • 困ること
    • 時間がない中で作業するので全画面全部やってられない
      • 事前に見積もっておいて時間と人を確保する
      • デザインシステムの部品を使ってれば致命的な問題は起きないはず
    • 実装が終わってからじゃないとテストできない
    • Windows使ってる人少ない問題
    • 検知箇所が多すぎる問題
      • 重篤度に応じて優先順位を